MINORITY REPORT

今まで読んだK・DICKの小説ではかなり難解を極める1作。映画の展開とは違うことも少し要因かもしれません。
ネットでややわかりやすい解説を見つけましたので簡略して引用してみます。最後まで読みきりましょう!もちろんラストは明かしませんよ?
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


「未来の犯罪を事前に知り、その犯人を事件前に逮捕してしまうことで犯罪を未然に防いでしまう」この
犯罪予防局を設立した局長、ジョン・アンダートンは次期局長と目されているエド・ウィットワーを迎え、局内の「プレコグ」の部屋を案内する。ここの3人のプレコグの吐き出す「データ」を元に「犯罪者」を事前に逮捕し、そのおかげでこの5年で起きた殺人事件はわずか1件。自信たっぷりに説明するアンダートンの顔色に突然動揺が。プレコグの予想した「未来殺人者」はアンダートン自身だった!被害者はレオポルド・カプラン。アンダートンの全く知らない相手だった。
ありえない。アンダートンはこれは自分を失脚させるための陰謀だと確信した。

妻リサに一部始終を話してみるが、とりあってもらえない。家に戻ったところを突然見知らぬ男たちに拉致される。案内されたのは「被害者」カプランの館。カプランは犯罪予防局の存在自体をこころよく思っていないが、自分の安全のためアンダートンを無害化せざるを得ないと警告する。カプランの部下に護送される途中、謎の団体から救出されるアンダートン。彼らはリサが上層部に報告し、すでにウィットワーが犯罪予防局を掌握し、アンダートンを「未来殺人者」として指名手配したことを告げる。

そんなときあることに思い当たる。プレコグ3人の予言が完全に一致することはあまりない。未来は「多数の可能性の中から一つを選択する」ことで得られるものでその可能性自体は多様だからだ。犯罪予防局ではプレコグ3人中2人の出した「報告」を元に判断している。ということはアンダートンとしては「彼が殺人をおかさない」もう一つの「少数報告」を見てそれが事実だと証明しなければならない・・・・・

ストーリーはプレコグの持っている「少数報告」のメカニズムや、それをどう利用していくかなどの謎解きが中心。自分の作り出した体制そのものが自分を追い込んでいく、皮肉な状況を描いている。「被害者」カプランはアンダートンを政治利用し、犯罪予防局の「違法性」を告発する集会を開こうとする。体制維持か自分の安全か。アンダートンのジレンマには「意外な解決法」が待っている。このオチは秀逸。ちなみに映画とは全く異なる。

スピルバーグは映画化にあたりこの作品のエッセンス、元となるアイデアのみをとりあげた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
{本日読んだ部分}
アンダートンはまず多数派のドナとマイクの報告を調べて見ることにした。
内容は予想できるものだったが不思議なことにあるとところからは完全に食い違っていた。
[WORDS&EXPRESSION]
ratified the dismemberment.....解体、分断の承認
 corp.......一団
 coup.......攻撃 一撃 クーデターなど
 jibe........一致する
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
なんとすべてマイノリティになったこの報告にアンドートンはどう決着をつける?


「だからね、あなたのレポートは内容そのものが少ないって言ってるの!」