minority report

群集が見守る壇上でカプランはスピーチを始めた。
「殺人を犯して捕まるはずのアンダートンは無罪のままここに座っている。犯罪防犯システムがいかに多くの間違いを犯してきたかを暴くものだ」

カプランは少数報告(minority report)の説明に取り掛かった。アンダートンはそのときには拳銃をすでに取り出していた。
カプランがまず、殺人を犯すという多数報告(majority report)
を読み上げ、そのあと少数報告を読み上げようというときカプランに奇妙な(queer)表情が表れた。
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[words & expression}
Jhon Alison Anderton is innocent....ジョン・アリスン・アンダートンは無実である。ここでフルネームで呼んだわけはlegal document(法律文書)のような意味合いを持たせ、カプランとしては自分の主張を強調(enphasis)、正当化したい意図がある

paradoxical......逆説的な 矛盾した
   ここでなぜ「Heizenburg's uncertainty principal]ハイゼンブルグの不確実性理論をマイケルが持ち出したか?
   物理学の難しい解釈は手に余りますが、やや噛み砕いた解釈を見つけました。

「物質を観測しようとすると、位置と運動量を同時に、正確に決定することができないという原理です。
位置を観測すると運動量が、運動量を観測すると位置がいい加減になってしまう・・・つまり、観測者がどちらかを決定してやらないと正しい形が生まれない、人は「同時に見て、見ない」ことはできないという解釈がこのparadoxicalと多少なりとも、重なるでしょうか。

patent frauds......巧妙な手口の詐欺(patentには特許のほかにも巧妙な手口、明白な、磨かれて艶のある等多数の意味)
diabolical distortion.....悪質に歪んだ

prophylactic..............予防の 主にbirth controlで使うとのこと、condomをさすこともある。

queer.......奇妙な(この本が出た当時は奇妙なという意味で使われていたが今ではほぼ、gayをさす。
      gay自体ももともと「楽しい、happyなという意味(現在もその意味でも使われる)
フロイドはほぼgayはbroken people,あるいはmental diseaseと断定していた。
gayは弱腰なイメージの言葉であり、最近のオバマ大統領の政策が「That's gay!」と揶揄されていたりする
gay,homosexuallyの意味は同性愛で、男女の区別はないもののイメージは常に男性に向けて使われることが多い
女性に対しては、ギリシア時代、レスボス(Leabos)島に住んでいた詩人サフォー(Sapho)の話からlezbianの呼称がよく使われる。

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同性愛にも詳しくなったところで豆知識、この不確定さん、いや、
ハイゼルベルグさんは原爆研究の中心メンバーでもあったとか。
しかし後に、このことは精神的に苦痛だったと書いている。
1941年、ハイゼンベルクは占領下のデンマークのボーアを訪ね、「科学者たちが技術的にも財政的にも困難だと言うので、原爆はこの戦争には間に合わない」と伝え、あるメモを手渡した。
このようなことから、ハイゼンベルクは、原爆開発を意図的に遅延させた、もしくはアメリカに情報を漏らしたとの疑いもある。
終戦後は他の開発者と共にイギリスのファーム・ホールに軟禁され、広島・長崎の原爆投下のニュースもそこで聞いた。それを聞いたハイゼンベルクは、そんなことは不可能だと驚いたという。
科学は戦争に大きく関与する一面もあるのですね。携わる人は非常に倫理観が問われますね。

ハイゼルベルグの写真